性感染症といえばクラミジアや淋菌を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、実はそれだけではありません。
梅毒、HIV、HPV、性器ヘルペスなど、さまざまな性感染症が存在し、それぞれ症状もリスクも異なります。
今回は、「知らなかった」では済まされない主要な性感染症の特徴をまとめてご紹介。
次回以降は個別に詳しく解説していきますので、まずは全体像をつかむことから始めましょう。
性感染症とは?知っておきたい基礎知識

性感染症の定義と感染経路
性感染症(STI)は、性行為を通じて感染する病気の総称です。
性交(膣性交、肛門性交、オーラルセックス)だけでなく、感染者の体液・粘膜との接触でうつるものもあります。
一部の性感染症は母子感染や血液感染もあるため、性行為以外の経路にも注意が必要です。
感染しても無症状のことが多く、気づかないまま他者にうつしてしまうケースも多く報告されています。
性交(膣性交、肛門性交、オーラルセックス)だけでなく、感染者の体液・粘膜との接触でうつるものもあります。
一部の性感染症は母子感染や血液感染もあるため、性行為以外の経路にも注意が必要です。
感染しても無症状のことが多く、気づかないまま他者にうつしてしまうケースも多く報告されています。
コンドームで完全に防げるわけではない理由

コンドームは性感染症予防に有効ですが、すべてを防げるわけではありません。
たとえば、性器ヘルペスやHPVは皮膚や粘膜の接触で感染するため、コンドームのカバー範囲外で感染することがあります。
また、使用タイミングや正しい装着方法が守られていないと効果が落ちてしまいます。
大切なのは、「万能ではない」と理解し、他の予防手段(検査・ワクチン・会話)と組み合わせることです。
たとえば、性器ヘルペスやHPVは皮膚や粘膜の接触で感染するため、コンドームのカバー範囲外で感染することがあります。
また、使用タイミングや正しい装着方法が守られていないと効果が落ちてしまいます。
大切なのは、「万能ではない」と理解し、他の予防手段(検査・ワクチン・会話)と組み合わせることです。
クラミジアと淋菌――無症状でも要注意
最も多いクラミジア感染症の特徴

クラミジアは日本で最も多く報告されている性感染症で、特に10代~20代の女性に多い傾向があります。
女性は自覚症状が出にくく、気づかぬうちに進行して卵管炎を起こし、不妊や子宮外妊娠のリスクが高まることも。
男性も尿道炎などの症状があるものの、軽微で見逃されがちです。
パートナーへの感染防止のためにも、無症状でも検査を受けることが大切です。
女性は自覚症状が出にくく、気づかぬうちに進行して卵管炎を起こし、不妊や子宮外妊娠のリスクが高まることも。
男性も尿道炎などの症状があるものの、軽微で見逃されがちです。
パートナーへの感染防止のためにも、無症状でも検査を受けることが大切です。
再感染も多い淋菌の落とし穴
淋菌もクラミジアと並んで多い性感染症で、症状は尿道炎や排尿痛、性器の不快感などがあります。
近年、抗菌薬が効きにくい「耐性菌」も増えており、再感染や治療の難航が問題となっています。
女性では感染が子宮頸管から卵管へ進み、不妊の原因になることも。
男性でも精巣上体炎を起こして精子の通り道をふさぎ、不妊リスクにつながることがあります。
近年、抗菌薬が効きにくい「耐性菌」も増えており、再感染や治療の難航が問題となっています。
女性では感染が子宮頸管から卵管へ進み、不妊の原因になることも。
男性でも精巣上体炎を起こして精子の通り道をふさぎ、不妊リスクにつながることがあります。
梅毒・HIV――見逃しやすいけれど深刻

出典:公益財団法人 性の健康医学財団 性感染症とは〜予防啓発に役立つ情報 梅毒の動向
梅毒の再流行と早期発見の重要性
かつては減少傾向にあった梅毒が、近年再び急増しています。
初期には「硬いしこり」や「無痛性の発疹」などが出ますが、痛みがないため気づかれにくく、放置すると全身に症状が広がり、神経や臓器に深刻な影響を及ぼすことも。
妊婦が感染すると胎児に感染する「先天梅毒」のリスクもあり、特に注意が必要です。
定期的な検査で早期発見することが、予防と適切な治療のカギです。
初期には「硬いしこり」や「無痛性の発疹」などが出ますが、痛みがないため気づかれにくく、放置すると全身に症状が広がり、神経や臓器に深刻な影響を及ぼすことも。
妊婦が感染すると胎児に感染する「先天梅毒」のリスクもあり、特に注意が必要です。
定期的な検査で早期発見することが、予防と適切な治療のカギです。
HIVの現在と正しい知識
HIVは、免疫機能を破壊するウイルスで、放置するとエイズ(AIDS)を発症することがあります。
かつては「死の病」と恐れられましたが、現在では治療薬の進歩により、早期発見・継続治療によって日常生活を維持できる時代になりました。
ただし、感染力がなくなったわけではなく、早期の検査と継続的な医療の関わりが不可欠です。
予防にはコンドーム使用とHIV検査が大切です。
かつては「死の病」と恐れられましたが、現在では治療薬の進歩により、早期発見・継続治療によって日常生活を維持できる時代になりました。
ただし、感染力がなくなったわけではなく、早期の検査と継続的な医療の関わりが不可欠です。
予防にはコンドーム使用とHIV検査が大切です。
HPVと性器ヘルペス――知らぬ間に広がる感染症

子宮頸がんの原因にもなるHPVとは?
HPV(ヒトパピローマウイルス)は性交渉の経験がある人の多くが一度は感染するとされるウイルスです。
多くは自然に消失しますが、一部の型は子宮頸がんのほか、肛門がん、咽頭がん、陰茎がんなどの原因になることがあります。
がんの原因となる高リスク型の感染は、ワクチンによって予防が可能です。
近年は女性だけでなく男性への接種も推奨され始めています。
なお、HPVは皮膚や粘膜の接触でも感染するため、コンドームだけでは完全に防げません。定期的な検診と予防接種が、自分自身とパートナーを守る大切な手段です。
多くは自然に消失しますが、一部の型は子宮頸がんのほか、肛門がん、咽頭がん、陰茎がんなどの原因になることがあります。
がんの原因となる高リスク型の感染は、ワクチンによって予防が可能です。
近年は女性だけでなく男性への接種も推奨され始めています。
なお、HPVは皮膚や粘膜の接触でも感染するため、コンドームだけでは完全に防げません。定期的な検診と予防接種が、自分自身とパートナーを守る大切な手段です。
性器ヘルペスと再発のつきあい方
性器ヘルペスは、単純ヘルペスウイルス(HSV)の感染によって起こり、水ぶくれや痛みを伴う発疹が出現します。
初感染時は強い症状が出ることが多く、その後ウイルスが体内に潜伏し、ストレスや疲労などで再発することがあります。
他人に感染させるリスクは、症状がなくてもあるため、発症時には性行為を控えることが必要です。
再発を抑える治療薬もあるため、医療機関での相談が安心です。
初感染時は強い症状が出ることが多く、その後ウイルスが体内に潜伏し、ストレスや疲労などで再発することがあります。
他人に感染させるリスクは、症状がなくてもあるため、発症時には性行為を控えることが必要です。
再発を抑える治療薬もあるため、医療機関での相談が安心です。
性感染症を防ぐために今できること

検査・ワクチン・会話――3つの基本
性感染症予防の基本は「検査」「ワクチン」「パートナーとの会話」です。
定期的な検査を受けることで早期発見ができ、無症状の感染にも気づけます。
HPVなどワクチンで予防できる感染症もあり、正しい情報をもとに選択することが大切です。
そして、信頼関係のあるパートナーと性について率直に話すことで、お互いを守る行動につながります。
定期的な検査を受けることで早期発見ができ、無症状の感染にも気づけます。
HPVなどワクチンで予防できる感染症もあり、正しい情報をもとに選択することが大切です。
そして、信頼関係のあるパートナーと性について率直に話すことで、お互いを守る行動につながります。
性を学ぶことは、自分と大切な人を守ること
性感染症に関する正しい知識を持つことは、自分の健康を守るだけでなく、パートナーや将来の家族を守ることにもつながります。
「誰にでも起こりうること」として知識を共有することが、偏見をなくし、早期発見・予防につながります。
次回からは、各感染症についてさらに詳しく掘り下げていきます。
まずは「知ること」から、一歩踏み出してみませんか?
「誰にでも起こりうること」として知識を共有することが、偏見をなくし、早期発見・予防につながります。
次回からは、各感染症についてさらに詳しく掘り下げていきます。
まずは「知ること」から、一歩踏み出してみませんか?
最後まで読んでいただきありがとうございました
本記事は、「知ることからはじまる生と性の健康」・「だいじな身体と未来のために ~性感染症のはなし~」シリーズの第2回。
次回は、「クラミジア感染の現実:自覚症状がなくても将来に影響が?」をテーマに、実は10代~30代にもっとも多い性感染症「クラミジア感染」驚くほど多くの人が“自覚のないまま”感染しています。
放置すれば、不妊症や妊娠中の合併症につながることも。
✔クラミジア感染の特徴
✔感染に気づきにくい理由
✔将来への影響と予防のポイント
を、助産師とともに考えてみませんか?
自分とパートナーの未来を守るために
知っておきたい大切な話。
どうぞお楽しみに!
次回は、「クラミジア感染の現実:自覚症状がなくても将来に影響が?」をテーマに、実は10代~30代にもっとも多い性感染症「クラミジア感染」驚くほど多くの人が“自覚のないまま”感染しています。
放置すれば、不妊症や妊娠中の合併症につながることも。
✔クラミジア感染の特徴
✔感染に気づきにくい理由
✔将来への影響と予防のポイント
を、助産師とともに考えてみませんか?
自分とパートナーの未来を守るために
知っておきたい大切な話。
どうぞお楽しみに!