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「SRHR(エスアールエイチアール)」という言葉をご存知ですか?

これは「性と生殖に関する健康と権利」を意味し、人が自分らしく生きるために欠かせない、生涯にわたるテーマです。

妊娠・出産だけでなく、乳幼児の体、思春期の性の悩み、大人になってからの健康、そして更年期の変化まで、助産師はすべてのライフステージに寄り添う専門家です。

この記事では、SRHRの基本をわかりやすく解説し、あなたや大切な家族の「生と性」の健康を守るためのヒントを、助産師の視点からお伝えしたいと思います。

SRHR(性と生殖に関する健康と権利)の基本を知ろう

SRHRとは?4つの構成要素を助産師が解説

SRHR(Sexual and Reproductive Health and Rights)は、「性と生殖に関する健康と権利」を意味し、4つの要素で成り立っています。
まず「セクシュアル・ヘルス」は、性を心から楽しみ、社会的に認められる健康状態のこと。
「リプロダクティブ・ヘルス」は、妊娠・出産・性愛など生殖に関する全般において、心身が満たされている健康を指します。
そして、「セクシュアル・ライツ」「リプロダクティブ・ライツ」は、性のあり方や、子どもを持つ・持たないこと、いつ持つかなどを、すべて自分で決める権利です。
単に病気でないだけでなく、性に関して満たされ、自分の選択が尊重されることがSRHRの目指す姿です。
私は、この4つの側面すべてから、あなたやご家族の健康をサポートします。

SRHRが「すべての人」に関わる理由

SRHRは、妊娠や出産を望む女性だけのテーマだと思われがちですが、実は性別や年齢、性的指向に関わらず、「すべての人」に関わる基本的人権です。
乳幼児には自分の体を守る知識、思春期には性の多様性やパートナーシップを考える知識が必要です。成年期には、ライフプランに合わせた避妊や妊活の選択が重要になります。また、更年期以降も、性的な健康は生活の質の維持に大きく関わります。
誰もが性に関する正しい情報を得て、自分の体を自分で決められる権利を持つ。
そして、その選択が他者や社会に尊重されることが、SRHRの核心です。
この概念を理解し、尊重し合うことが、お互いを大切にする社会の土台となります。

【乳幼児・思春期】性の健康の土台を築く大切な時期

乳幼児期:自分の体を守るための「プライベートパーツ」教育

SRHRの考え方は、乳幼児期から始まります。
この時期に最も重要なのは、「自分の体は自分のもの」という意識と、「プライベートパーツ」の概念を教えることです。
お風呂や着替えの時に、他人に見せたり触らせたりしない、大切な部分があることを、わかりやすく伝えたいところです。
「だめよ」「いや」と言って拒否する権利(NOと言える力)があることを教えることで、性的な虐待やハラスメントから自分自身を守る土台が作られます。
また、保護者が赤ちゃんの性器を「おちんちん」「おまた」など正しい名称で呼ぶことも、性の健康をオープンに話せる環境づくりに繋がっていくことでしょう。

思春期:月経の開始と避妊・性感染症の知識

思春期は、心と体が大きく変化し、性に関する関心が高まる時期です。
この時期のSRHR教育では、月経(生理)のメカニズムや正しいケアの方法、そして予期せぬ妊娠を防ぐための避妊法、性感染症(STI)の正しい知識を伝えることが不可欠だと考えます。
特に避妊については、正しい知識を持たないことで将来の健康や人生設計に大きな影響を与える可能性があります。
また、性の多様性(SOGI)について学び、多様な性のあり方を認め合う姿勢を育むことも大切です。
私は、性に関する疑問や不安を安心して相談できる専門家として、思春期の心と体に寄り添い、自立した判断をサポートしたいと考えています。

【成年期】自分で選び、行動するための健康知識

妊娠・出産だけじゃない!「生殖の権利」と妊活・不妊

成年期は、SRHRの中核となる「リプロダクティブ・ライツ(生殖の権利)」を最も行使する時期です。
この権利には、 「子どもを持つか持たないか」 「いつ何人持つか」 を自分で決められる自由が含まれます。
そのため、避妊や人工妊娠中絶の選択肢だけでなく、近年注目されている「妊活」や、不妊治療に関する正しい情報もSRHRに含まれます。
年齢による妊娠率の変化や、不妊のリスクを理解することは、将来のライフプランを設計する上で非常に重要です。私は、妊娠を望む方には妊娠に向けた体づくりを、望まない方には確実な避妊法の情報提供を行うなど、ご本人の意思決定を尊重したサポートを行いたいと考えています。

助産師に相談できる性の健康と多様性

性の健康は、単に病気の有無だけでなく、性生活の満足度や精神的な充足感も含まれます。
成年期には、セックスレスの悩みや、性に関するパートナーとのコミュニケーションの課題、自認する性(ジェンダー・アイデンティティ)や性的指向(SOGI)に関する悩みなど、様々な問題が生じることがあります。
助産師は、妊娠・出産期に限らず、女性の体の専門家として、デリケートな性の悩みも安心して相談できる存在です。私は、誰にも言えずに抱え込んでいる悩みや、性の多様性に関する疑問など、性に関するあらゆる健康課題について、偏見なく親身になってお話を伺い、必要な情報や専門機関への橋渡しを行います。

【更年期・老年期】ホルモン変化と向き合い、自分らしく生きる

更年期障害のメカニズムと心身のケア

更年期は、卵巣機能の低下に伴い、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が急激に減少することで、心身にさまざまな不調が現れる時期です。
これが更年期障害と言われるものです。症状には、ホットフラッシュ、倦怠感、精神的な落ち込みなどがあり、生活の質(QOL)を大きく低下させることがあります。
SRHRの視点から見ると、更年期の知識を誰もが持ち、自分の体の変化を理解して、適切なケアを選択できることが重要です。
助産師は、ホルモン補充療法(HRT)などの医療的な情報提供だけでなく、生活習慣や食事、リラックス法のアドバイスを行います。
私は、更年期を前向きに乗り越えるためのサポートを行います。

閉経後も健やかに!骨盤底筋ケアと生涯の健康

閉経後も、SRHRのテーマは続きます。
老年期においても、性的な健康と自立した生活を送る権利は守られなくてはなりません。
ホルモン減少による膣の乾燥や性交痛、骨盤底筋の衰えによる尿漏れなどは、生活の質に関わる深刻な問題です。
しかし、これらは適切なケアで改善が可能であることがあります。
特に、骨盤底筋トレーニングは、尿漏れ予防だけでなく、性生活の質の向上にも役立ちます。
私は、これらのデリケートな課題に対しても具体的なセルフケアの方法を指導し、生涯を通して自分らしく、活動的に生活できるようサポートしたいと考えています。

SRHRの知識を社会で活かす

SRHRの知識を明日からの行動に変えるまとめ

SRHRは、乳幼児期の「自分の体を大切にする」ことから始まり、生涯を通して「自分の生と性について、自分で決められる」ことを目指す、途切れることのないテーマです。
この知識を得たあなたは、自分の体だけでなく、家族やパートナーの健康と権利を尊重する視点を持つことができたはずです。
まずは、ご家庭で性の健康についてオープンに話すことから始めてみませんか。
そして、社会の一員として、性別や年齢、立場の違いを超えて、お互いのSRHRが守られるよう意識し、行動していくことが、より良い社会への一歩となります。

かりゆし助産院が提供する「生と性」の出前授業と企業支援

かりゆし助産院では、地域や企業のSRHR推進のため、専門的な知識を提供しています。
学校や教育機関向けの「生と性」の出前授業では、思春期の子どもたちに、正しい体の知識と「自分を大切にする力」を育む教育を行っています。
また、地域の子育てサロンなどで幼児向けのプライベートパーツ(自分だけの大切な場所)を伝える活動にも力を入れています。
また、健康経営を目指す企業様向けには、女性従業員の健康課題(月経、妊活、更年期など)に特化したセミナーを開催し、働きやすい職場環境づくりをサポートしています。社員の健康維持は企業の生産性向上にも繋がります。
ご家庭だけでなく、学校や職場のSRHR向上にご興味のある方は、ぜひ当助産院にご相談ください。