『知ることからはじまる生と性の健康』『だいじな身体と未来のために〜性感染症のはなし〜』シリーズ第7回
性器ヘルペスは、性感染症の一種です。感染すると体の中にウイルスが潜み完治しないと言われており、症状が繰り返し現れることが大きな特徴です。
「治らない病気」と聞くと不安になりますが、正しい知識とケアで症状をコントロールし、日常生活を安心して送ることは可能です。
本記事では、性器ヘルペスの特徴や再発の仕組み、症状との付き合い方を助産師の視点でお伝えします。
次回の第8回「性感染症と妊娠・出産」へもつながる内容です。
『知ることからはじまる生と性の健康』『だいじな身体と未来のために〜性感染症のはなし〜』のシリーズ記事もぜひご参考にしてください。
性器ヘルペスとはどんな病気?

性器ヘルペスは、ヘルペスウイルスによって引き起こされる感染症です。
ウイルスの種類と感染経路
原因となるのは主に単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)と単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2)の2種類です。
・HSV-1: 口唇ヘルペスの原因として知られています
・HSV-2: 性器ヘルペスの主な原因ウイルス
現在では口から性器、性器から口へと感染が広がるため、どちらの型でも性器に症状が現れる可能性があります。
主な感染経路は、性行為を通じた粘膜や皮膚の接触です。コンドームを使用しても完全に防げない場合があるため注意が必要です。
また、感染してもすぐに症状が出ないことも多く(不顕性感染)、知らないうちにパートナーへ感染させてしまう可能性があることが、この病気の難しさのひとつです。
・HSV-1: 口唇ヘルペスの原因として知られています
・HSV-2: 性器ヘルペスの主な原因ウイルス
現在では口から性器、性器から口へと感染が広がるため、どちらの型でも性器に症状が現れる可能性があります。
主な感染経路は、性行為を通じた粘膜や皮膚の接触です。コンドームを使用しても完全に防げない場合があるため注意が必要です。
また、感染してもすぐに症状が出ないことも多く(不顕性感染)、知らないうちにパートナーへ感染させてしまう可能性があることが、この病気の難しさのひとつです。
初感染時の症状と特徴
初めてヘルペスに感染した時(初感染)は、症状が強く現れることが一般的です。
・激しい痛みとかゆみ: 性器の周辺に水ぶくれや潰瘍(ただれ)ができ、激しい痛みや焼けるようなかゆみを伴います。排尿時の痛みや歩行が困難になることもあるほど
・全身症状: 発熱、頭痛、リンパ節の腫れ、倦怠感といったインフルエンザに似た症状が出ることもあります。
これらの症状は、1〜2週間ほどで自然に治まることが多いですが、放置すると重症化するリスクもあります。
初感染が最もつらく、治療が必要です。
また、ウイルスは神経に潜伏し続け、完全に体外から排除することはできません。
そのため、一度感染したら一生体の中に潜む可能性がある点が特徴です。「治る」というより「付き合っていく」病気であることを理解することが、正しい向き合い方の第一歩です。
・激しい痛みとかゆみ: 性器の周辺に水ぶくれや潰瘍(ただれ)ができ、激しい痛みや焼けるようなかゆみを伴います。排尿時の痛みや歩行が困難になることもあるほど
・全身症状: 発熱、頭痛、リンパ節の腫れ、倦怠感といったインフルエンザに似た症状が出ることもあります。
これらの症状は、1〜2週間ほどで自然に治まることが多いですが、放置すると重症化するリスクもあります。
初感染が最もつらく、治療が必要です。
また、ウイルスは神経に潜伏し続け、完全に体外から排除することはできません。
そのため、一度感染したら一生体の中に潜む可能性がある点が特徴です。「治る」というより「付き合っていく」病気であることを理解することが、正しい向き合い方の第一歩です。
「治らない」と言われる理由

性器ヘルペスが「完治しない」と言われるのには、ウイルスの特殊な性質が関係しています。
体に潜伏するウイルスの性質
ヘルペスウイルスは、一度体内に侵入すると、神経細胞の根元にある神経節(しんけいせつ)に隠れてしまいます。この状態を潜伏感染といい、免疫の監視から逃れて長期間にわたって生き続けます。
症状が治まっても、ウイルスは完全には消えず、体が疲れたり免疫力が落ちたときに再び活動を始め、症状が出現します。
この潜伏状態にあるウイルスを完全に排除する治療法は、現在のところ見つかっていません。これが「治らない」と言われる理由です。
症状が治まっても、ウイルスは完全には消えず、体が疲れたり免疫力が落ちたときに再び活動を始め、症状が出現します。
この潜伏状態にあるウイルスを完全に排除する治療法は、現在のところ見つかっていません。これが「治らない」と言われる理由です。
再発が起こる仕組み
潜伏しているウイルスは、体の免疫力が低下すると活動を再開します。
・ストレスや疲労: 仕事のプレッシャーや睡眠不足
・体調不良: 風邪や他の病気
・物理的な刺激: 日焼け、月経、性交渉
・ホルモンの変化:月経前後
といったきっかけでウイルスが活性化し、神経を伝って再び皮膚や粘膜に現れて、再発症状を引き起こすのです。
再発の症状は初感染時より軽いものの、日常生活に支障をきたす場合も少なくありません。
このように、体調と密接に関わる病気であるため、自分の体のサインを知り、再発の前触れを早くキャッチすることが大切です。
・ストレスや疲労: 仕事のプレッシャーや睡眠不足
・体調不良: 風邪や他の病気
・物理的な刺激: 日焼け、月経、性交渉
・ホルモンの変化:月経前後
といったきっかけでウイルスが活性化し、神経を伝って再び皮膚や粘膜に現れて、再発症状を引き起こすのです。
再発の症状は初感染時より軽いものの、日常生活に支障をきたす場合も少なくありません。
このように、体調と密接に関わる病気であるため、自分の体のサインを知り、再発の前触れを早くキャッチすることが大切です。
再発時の症状と生活への影響

再発時の症状は、初感染時よりも軽いことが多いですが、繰り返し現れるため、生活に影響を与えます。
よくある再発のサイン
再発が始まる前には、以下のようなサインを感じることがあります。
・ピリピリ、チクチク: 患部に痛みや違和感が現れる前駆症状
・むずむず、かゆみ: 患部がむずがゆく感じる
・水ぶくれ: 赤い発疹ができ、その上に小さな水ぶくれが複数現れる
これらのサインを感じたら、すぐに治療を始めることが大切です。
発疹が出る前の違和感を前駆症状と呼び、この段階で早めに治療薬を使うと症状が軽くすむこともあります。
数日で治まることが多いですが、人によっては年に数回繰り返すこともあり、症状がある間はパートナーへの感染リスクが高まるため性行為を控える必要があります。
・ピリピリ、チクチク: 患部に痛みや違和感が現れる前駆症状
・むずむず、かゆみ: 患部がむずがゆく感じる
・水ぶくれ: 赤い発疹ができ、その上に小さな水ぶくれが複数現れる
これらのサインを感じたら、すぐに治療を始めることが大切です。
発疹が出る前の違和感を前駆症状と呼び、この段階で早めに治療薬を使うと症状が軽くすむこともあります。
数日で治まることが多いですが、人によっては年に数回繰り返すこともあり、症状がある間はパートナーへの感染リスクが高まるため性行為を控える必要があります。
生活や心の不安への影響
再発を繰り返すことで、以下のような悩みを抱えることがあります。
・人間関係の不安: パートナーへの感染リスクや、症状が出たときのコミュニケーションに悩む。
・心と身体のストレス: 「また再発するのではないか」という不安や、症状による不快感で精神的なストレスを感じる。
さらに、周囲に相談しづらい病気であるため、一人で抱え込みやすい点も課題です。
しかし性器ヘルペスは決して珍しい病気ではなく、多くの人が経験する可能性のある感染症です。
正しい知識を得て、必要なときに医療機関へ相談できるよう備えておくことが安心につながります。
・人間関係の不安: パートナーへの感染リスクや、症状が出たときのコミュニケーションに悩む。
・心と身体のストレス: 「また再発するのではないか」という不安や、症状による不快感で精神的なストレスを感じる。
さらに、周囲に相談しづらい病気であるため、一人で抱え込みやすい点も課題です。
しかし性器ヘルペスは決して珍しい病気ではなく、多くの人が経験する可能性のある感染症です。
正しい知識を得て、必要なときに医療機関へ相談できるよう備えておくことが安心につながります。
症状をコントロールする方法

性器ヘルペスは完治しませんが、症状をコントロールすることは十分に可能です。
医師による治療と薬の活用
再発が繰り返される場合、医師に相談して抗ヘルペスウイルス薬を処方してもらうのが効果的です。治療薬は飲み薬や塗り薬があります。
・初期治療: 症状が出始めたら、すぐに薬を服用することで、症状の悪化を防ぎ、治癒を早めます。
・再発抑制療法: 再発を繰り返す場合、毎日少量のお薬を服用することで再発自体を抑制する治療法です。医師と相談して、自分のライフスタイルに合った治療方法を選ぶことが大切です。症状が軽くても放置せず、早めに医療機関で診断と処方を受けることが望まれます。
・初期治療: 症状が出始めたら、すぐに薬を服用することで、症状の悪化を防ぎ、治癒を早めます。
・再発抑制療法: 再発を繰り返す場合、毎日少量のお薬を服用することで再発自体を抑制する治療法です。医師と相談して、自分のライフスタイルに合った治療方法を選ぶことが大切です。症状が軽くても放置せず、早めに医療機関で診断と処方を受けることが望まれます。
セルフケアと再発予防の工夫
日常生活でできるセルフケアとしては、
・免疫力を高める: バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動を心がけ、ストレスを溜めないようにしましょう。
・患部を清潔に保つ: 症状が出ている間は、石鹸を使わず優しく洗浄し、清潔に保つことが大切です。
・再発のサインを逃さない: ピリピリといった前駆症状を感じたら、早めに医療機関を受診しましょう。
また、パートナーと病気について話し合い、感染リスクがある時期を避けることも大切です。
性器ヘルペスは「感染と共に生きる病気」だからこそ、自己管理と周囲の理解が安心して生活するための鍵となります。
・免疫力を高める: バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動を心がけ、ストレスを溜めないようにしましょう。
・患部を清潔に保つ: 症状が出ている間は、石鹸を使わず優しく洗浄し、清潔に保つことが大切です。
・再発のサインを逃さない: ピリピリといった前駆症状を感じたら、早めに医療機関を受診しましょう。
また、パートナーと病気について話し合い、感染リスクがある時期を避けることも大切です。
性器ヘルペスは「感染と共に生きる病気」だからこそ、自己管理と周囲の理解が安心して生活するための鍵となります。
【特別トピック】性器ヘルペスと妊娠・出産

性器ヘルペスは、妊娠・出産を考えている方にとって特に注意が必要です。
感染していることに気づかず、あるいは再発した状態で出産すると、赤ちゃんにウイルスが感染するリスクがあるからです。
感染していることに気づかず、あるいは再発した状態で出産すると、赤ちゃんにウイルスが感染するリスクがあるからです。
赤ちゃんへの影響:新生児ヘルペス感染症
出産時に産道で赤ちゃんがヘルペスウイルスに感染することを「新生児ヘルペス感染症」といいます。
これは非常に危険な病気で、以下のような重い症状を引き起こすことがあります。
・皮膚・眼・口の症状:皮膚に水ぶくれができたり、目の炎症を引き起こしたりします。
・中枢神経系の症状:脳炎や髄膜炎を起こし、発達障害や知的障害の原因となることがあります。
・全身性の症状:内臓にウイルスが広がり、命に関わる重篤な状態になることもあります。
これは非常に危険な病気で、以下のような重い症状を引き起こすことがあります。
・皮膚・眼・口の症状:皮膚に水ぶくれができたり、目の炎症を引き起こしたりします。
・中枢神経系の症状:脳炎や髄膜炎を起こし、発達障害や知的障害の原因となることがあります。
・全身性の症状:内臓にウイルスが広がり、命に関わる重篤な状態になることもあります。
特に注意が必要なケース
・妊娠中の初感染:初めてヘルペスに感染した場合、ウイルス量が多いため、赤ちゃんへの感染リスクが最も高くなります。
・出産時の症状再発:再発した状態で出産を迎えると、産道にウイルスが存在するため、赤ちゃんが感染するリスクが高まります。
・出産時の症状再発:再発した状態で出産を迎えると、産道にウイルスが存在するため、赤ちゃんが感染するリスクが高まります。
妊娠中・出産時の対応
性器ヘルペスがある方、あるいは妊娠中に症状が出た方は、必ず担当の産婦人科医に相談してください。
・予防のための投薬:出産間近に再発を抑制するための薬が処方されることがあります。
・帝王切開による出産:再発症状が出ている場合や、初感染の場合は、赤ちゃんへの感染リスクを避けるために帝王切開での出産が選択されることがあります。
性器ヘルペスをコントロールすることは、ご自身の健康だけでなく、新しい命を守るためにも非常に大切です。
・予防のための投薬:出産間近に再発を抑制するための薬が処方されることがあります。
・帝王切開による出産:再発症状が出ている場合や、初感染の場合は、赤ちゃんへの感染リスクを避けるために帝王切開での出産が選択されることがあります。
性器ヘルペスをコントロールすることは、ご自身の健康だけでなく、新しい命を守るためにも非常に大切です。
まとめと次回予告
性器ヘルペスは、一度感染すると体に残り、繰り返し症状が出る病気です。
完治は難しいですが、適切に治療し、日頃から体調管理を心がけることで、症状をコントロールできます。
「治らないから」と諦めず、不安なことがあれば医師や専門家へ相談してください。
完治は難しいですが、適切に治療し、日頃から体調管理を心がけることで、症状をコントロールできます。
「治らないから」と諦めず、不安なことがあれば医師や専門家へ相談してください。
次回予告:性感染症と妊娠・出産
次回『知ることからはじまる生と性の健康』『だいじな身体と未来のために〜性感染症のはなし〜』シリーズ第8回のテーマは“「性感染症と妊娠・出産」”です。
妊娠を考えている、もしくは妊娠中に性感染症が分かったらどうすればいいのでしょうか?
性感染症があかちゃんに与える影響や、妊娠中の適切な対処法、パートナーと一緒に考える予防について一緒に考えたいと思います。
妊娠を考えている、もしくは妊娠中に性感染症が分かったらどうすればいいのでしょうか?
性感染症があかちゃんに与える影響や、妊娠中の適切な対処法、パートナーと一緒に考える予防について一緒に考えたいと思います。
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